コラム 公開: 2026/07/16 / 更新: 2026/11/02

ハザードマップの見方・使い方
高齢者世帯が確認すべき災害リスク

ハザードマップは「見たことはあるけれど、何を確認すればいいのか分からない」という方が多い防災情報のひとつじゃ。 特に高齢者世帯では、自宅が安全かどうかだけでなく、避難が必要な災害の種類、避難先、避難ルートまで事前に確認しておくことが大切じゃよ。 それに、2026年5月から大雨などの警報の名前が変わって、名前に「レベル3」「レベル4」といった数字がつくようになったんじゃ。 この記事では、ハザードマップで最初に見るべきポイントと、新しい警戒レベルを使った動き出しの目安、家族で共有したい確認項目をわかりやすく整理するぞ。

ハザードマップとは何か

ハザードマップとは何か

ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その範囲や程度を地図上に示したものじゃ。 市区町村が作成しており、洪水・土砂災害・地震時の津波・火山噴火など、地域ごとの災害リスクが「見える化」されておる。

国のサイトにも、いろいろな地図を重ねて見られる仕組みがある。 洪水・土砂災害・高潮・津波のリスクのほか、道路の防災情報や、土地の特徴・成り立ちまで見られるんじゃ。 ただし、それぞれ役目がちがう。この記事では、その使い分けも順番に話していくぞ。

ハザードマップで分かる主な災害リスク

洪水浸水想定区域

河川が氾濫したとき、どの程度浸水するか

土砂災害警戒区域

がけ崩れや土石流の危険がある場所

津波浸水想定区域

津波が到達する可能性のある範囲

避難場所・避難所

災害の種類別に利用できる避難先

地図を見る目的は「自宅の危険度」を知ることだけではない

ハザードマップを見るとき、多くの方が「うちは大丈夫か?」とまず確認するじゃろう。 もちろんそれは大切なことじゃが、それだけでは不十分なんじゃ。 「大丈夫じゃなかったとき、どうするか?」まで考えておくことが、本当の備えになるんじゃよ。

どこで見られる? — 3つの入手方法

「そもそも、ハザードマップはどこにあるんじゃ?」——実はここでつまずく方が一番多いんじゃ。 方法は3つ。まずは1つ見られれば大丈夫じゃ。 ただし、実際に避難するときは、あとで話すとおり市町村のマップも必ず見ておくんじゃぞ。

方法1: スマホ・パソコンで見る(一番かんたん)

国土交通省・国土地理院の「重ねるハザードマップ」が便利じゃ。 洪水・土砂災害・高潮・津波のリスクなどを、1つの地図に重ねて見られる。 入口は「ハザードマップポータルサイト」のトップページじゃ。使い方を順番に見ていこう。

① 住所を入れる

トップページの「住所から探す」に住所を入力する。いま居る場所を調べたいときは「現在地から探す」を押す

② 地図に自動で表示される

地図に移ると、その場所で想定されている災害リスクが、自動で地図の上に出てくる

③ 文字でも確認する

その場所の災害リスクや、避難行動のポイントが「文字」でも出る。音声読み上げソフトでも使えるぞ

④ 背景の色の意味を知る

表示される枠の背景色は、白・黄色・橙色・桃色・赤色の順に、災害リスクが高くなる。赤に近いほど要注意じゃ

⑤ 種類ごとにアイコンで見る

洪水と高潮など浸水リスクが複数あるときは、浸水が一番深くなる種類だけが出る。種類ごとの深さは、それぞれのアイコンを押して確かめる

⑥ 指定避難所を表示する

2026年7月13日から、指定避難所も見られるようになった。「すべての情報から選択」から表示できる

⑦ 印刷して紙で持つ

画面右上の「その他のメニュー」から印刷できる。「リスクをまとめて調べる」にも印刷機能がある。紙のほうが安心な親御さんにも向いておるぞ

災害の種類で探したいときは、トップページの「災害の種類から選ぶ」から、洪水・内水、土砂災害、高潮、津波を選んで地図を出せる。

方法2: 市役所・役場でもらう(紙で欲しい方に)

お住まいの市区町村の役所(防災担当の窓口)で、紙のハザードマップを無料でもらえる。 窓口で「ハザードマップをください」と言えば通じるぞ。 広報誌と一緒に各家庭へ配られていることも多いから、まずは家の引き出しを探してみるのもええのう。

方法3: 市区町村のホームページで見る

「◯◯市 ハザードマップ」(お住まいの市町村名)で検索すれば、自治体が作った地図が出てくる。 地域の避難所の場所まで細かく載っているのはこちらじゃ。

検索で見つけにくいときは、国の「わがまちハザードマップ」から開く手もある。 市町村が法令にもとづいて作って公開したハザードマップに、リンクでつながっておる。

  1. 「わがまちハザードマップ」を開く
  2. 「地図から選択する」か「災害種別から選択する」を選ぶ(洪水・内水・ため池・高潮・津波・土砂災害・火山など)
  3. 住んでいる市町村を選んで、その市町村のハザードマップを開く

避難のときは、市町村のマップを必ず確認する

ここは大事なところじゃ。 重ねるハザードマップには、避難に必要な情報がすべて入っているわけではない。これは公式にも書かれておる留意点じゃ。 だから実際に避難するときは、必ず市町村が作ったハザードマップも確認するんじゃぞ。 「重ねるハザードマップ」で全体をつかんで、市町村のマップで細かいところを確かめる、という使い分けがええのう。

開いたら、まずこれだけ見ればええ

① 自宅に色が塗られているか

塗られていれば想定される災害がある場所じゃ。塗られていなくても安心とは言えん。くわしくは後の「注意点」で話すぞ

② 色の濃さ

地図のすみにある凡例(色の説明)と見比べる。「3m」とあれば1階がほぼ水につかる深さじゃ

③ 斜線や枠で囲まれた区域

土砂災害の警戒区域。がけや山の近くにお住まいの方は特に確認を

④ 避難場所のマーク

自宅から一番近い避難場所を見つけて、印をつけておく

最初に確認したい3つのポイント

自宅が浸水・土砂災害・洪水の想定区域に入っているか

まずは自宅の位置をハザードマップ上で確認するんじゃ。 浸水想定区域に入っていれば、「何メートル浸水するか」「どの階まで水が来るか」まで確認しておくといい。 もし色が塗られていなくても、近くに河川や低い土地があれば油断はできんぞ。

近くの避難場所はどこか

避難場所は災害の種類ごとに違うことがあるんじゃ。 洪水のときは使えるが、地震のときは使えん——そんな施設もある。 災害の種類ごとに自分が使える避難場所を確認しておくことが大切じゃよ。

避難所までのルートに危険箇所がないか

避難場所が近くても、そこまでの道が安全とは限らん。 アンダーパス(地下道)が冠水する、川沿いの道が通れなくなる、といったケースもある。 安全なルートを2つ以上確認しておくのがおすすめじゃ。

ハザードマップを見るときの注意点

ハザードマップは便利じゃが、見方をまちがえると「うちは大丈夫」と思いこんでしまう。 ここでは、まちがえやすい5つの点を伝えるぞ。

色がない=安全、ではない

土砂災害警戒区域ではない場所でも、土砂災害が起きることはある。近くに「がけ地」や「小さな沢」があれば注意が必要じゃ

「想定最大規模」と「計画規模」はちがう

「想定最大規模」は、その地域で考えられる最大の雨じゃ。1年間にその規模を超える雨が降る確率が、およそ1/1000とされる。「計画規模」は川の整備の目標になる雨で、およそ1/10〜1/200じゃ。どちらの雨を前提にした地図か、確かめるとええ

浸水の深さは「地面から」の深さ

浸水の深さは、その場所のおおよその地面の高さからの深さじゃ。家の床からの高さではないぞ

住所検索には誤差がある

住所検索や現在地検索には誤差があり、その場所の情報が出ないこともある。出なかったときは、周りの場所も見てみよう

データは今後変わることがある

浸水想定区域図は、作っている途中じゃ。いまリスクが出ていない場所でも、今後変わる可能性がある。ときどき見直すのがええのう

とくに「色が塗られていない」場合は、「想定がまだない」だけかもしれん。 川の近く、低い土地、がけや沢の近くにお住まいなら、色がなくても油断せんでほしいんじゃ。

高齢者世帯が特に注意したい見方

高齢者世帯が特に注意したい見方

坂道・階段・夜道を含めて避難経路を考える

地図上では近く見えても、急な坂や階段があるルートは、足腰に不安がある方には厳しいことがあるんじゃ。 また、夜間や雨天の避難では、街灯が少ない道は危険じゃ。 「明るくて、なだらかな道」を優先して考えるのがコツじゃよ。

徒歩避難が難しい場合の代替手段を考える

歩いての避難が難しい場合は、車での移動や、近くの高い建物への垂直避難も選択肢になる。 自治体によっては福祉車両の手配もあるから、事前に確認しておくと安心じゃ。

また、災害のときに避難へ特に手助けが必要な方の名簿として、「避難行動要支援者名簿」というものがある。 平成25年の災害対策基本法の改正で、この名簿を作ることが市町村の義務になったんじゃ。 登録のしかたは、お住まいの市町村によってちがう。まずは市町村の窓口に、登録方法を聞いてみるのがええぞ。 くわしくは防災庁の「災害時要援護者対策」のページにも出ておる。

複数の避難先を持つ重要性

避難先がひとつだけだと、そこが使えなくなったときに困ってしまう。 第一避難先、第二避難先、さらに親戚や知人の家など、複数のパターンを考えておくことが大事じゃ。

警戒レベルと、高齢者が動き出すタイミング

2026年(令和8年)5月29日から、気象庁の防災気象情報の名前が新しくなった。 河川の氾濫、大雨、土砂災害、高潮の情報が、5段階の「警戒レベル」にあわせた名前になって、名前にレベルの数字がつくんじゃ。 ハザードマップで危ない場所を知ったら、次は「いつ動くか」を決めておこう。

レベルごとの整理

レベル2:注意報

この段階で、ハザードマップなどを使って、災害が想定される区域・避難先・避難経路を確認する

レベル3:大雨警報など

これまでの大雨警報は「レベル3大雨警報」になった。自治体が「警戒レベル3高齢者等避難」を出す目安で、高齢者等は危険な場所からの避難が必要な段階じゃ

レベル4:危険警報

新しくできた名前じゃ(レベル4大雨危険警報、レベル4土砂災害危険警報、レベル4氾濫危険警報など)。「警戒レベル4避難指示」の目安で、危険な場所から全員が避難する段階じゃ

レベル5:特別警報

例は「レベル5大雨特別警報」じゃ。気象庁は「警戒レベル4までに危険な場所からかならず避難」と呼びかけておる

高齢者は「レベル3」で避難を始める

足腰が弱い方や、支えが必要な方は、動くのに時間がかかる。 だから、自治体から「警戒レベル3高齢者等避難」が出たら、高齢の方は避難を始める。これが基本じゃ。 家族は「まだ大丈夫じゃろう」と言わずに、このレベルで親に電話をかけるくらいがちょうどええ。

避難指示を待たず、キキクルで自分で判断する

防災気象情報は、多くの場合、自治体の避難指示などより先に出る。 だから、避難指示がまだ出ていなくても、キキクル(危険度分布)や川の水位の情報を見て、自分で避難を判断することが大切じゃ。 キキクルの色は、次のとおりじゃ。

「警戒」(赤)

レベル3相当じゃ。高齢の方は動き出す段階じゃ

「危険」(紫)

レベル4相当じゃ。全員が避難する段階じゃ

「災害切迫」(黒)

レベル5相当じゃ。すでに命が危ない状況じゃ

レベル5を待たない

レベル5は、何らかの災害がすでに起きている可能性がきわめて高く、命の危険が迫っている段階じゃ。そこから移動するのはかえって危ないこともある。 レベル5が出るのを待たずに、レベル3、遅くてもレベル4までに動き出すんじゃ。

避難先は「近くの頑丈な建物の上層階」でもよい

気象庁は、指定された避難場所にこだわらなくてよいと伝えておる。 川やがけから少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、その時点で最善の行動をとるんじゃ。 外が危ないときに、遠い避難所を目指して歩くより、近くの高い所へ上がるほうが安全なこともあるぞ。

なお、自治体が避難情報を出すときのよりどころになる国の「避難情報に関するガイドライン」も、新しい防災気象情報にあわせて令和8年3月に改定されておる。

家族で共有しておきたい内容

どの災害なら避難するか

すべての災害で避難が必要とは限らん。 たとえば「レベル3高齢者等避難が出たら、親は動き出す」「キキクルが赤(警戒)になったら、家族が親に電話する」「震度5強以上なら家を出る」など、家族で具体的な判断基準を決めておくと、迷わず行動できるぞ。

どこへ避難するか

「とにかく避難所へ」ではなく、災害の種類に応じた避難場所を家族全員で共有しておくことが大切じゃ。 紙に書いて冷蔵庫に貼っておくくらいでちょうどいいぞ。

連絡が取れないときの行動ルール

災害時は電話がつながりにくくなる。 「避難したら○○避難所で会う」「災害用伝言ダイヤル(171)を使う」など、 連絡が取れなくても合流できるルールを決めておくと安心じゃ。

ハザードマップ確認後にやるべきこと

ハザードマップ確認後にやるべきこと

避難ルートを実際に歩いてみる

地図で確認しただけでは不十分じゃ。 実際に避難ルートを歩いて、所要時間・段差・暗い場所・狭い道を確認しておくと、いざという時に慌てずに済むぞ。 天気のいい日に、散歩がてら歩いてみるのがおすすめじゃ。

家族会議で役割分担を決める

「誰がおばあちゃんを連れて行くか」「ペットは誰が連れるか」「何を持っていくか」—— こういった具体的な役割分担を、年に一度でもいいから家族で話しておくと、いざという時の行動がまるで違ってくるんじゃ。

次に読みたい関連記事

ハザードマップを確認したら、次はもう一歩進んだ備えを考えてみよう。

この記事で参考にした公的情報

この記事の内容は、次の公式ページで2026年11月2日に確認したものじゃ。 制度や画面は変わることがあるから、最新の情報は元のページで見てほしい。