実家の火災警報器、10年たったら交換?親を守る点検と取り替え【秋の火災予防運動】
実家の天井に付いている、丸くて白い火災警報器。最後に鳴るか確かめたのは、いつじゃろう。 消防庁の調べでは、令和7年に住宅火災で亡くなった人は970人。そのうち65歳以上が730人、約4人に3人じゃった。 火災警報器は、すべての住宅で付けることが平成23年6月までに義務になった。そのころに付けた警報器は、もう15年ほどたっておる。 国は、警報器は10年を目安に本体ごと交換するよう呼びかけておるんじゃ。 11月9日からは秋の全国火災予防運動が始まる。帰省や電話のついでに、親の家の警報器を一緒に確かめておこう。
図解: 実家の火災警報器 3つの確認
親の家で確かめることを1枚にまとめた。電話で読み上げて、親と一緒に見ていくとよいぞ。
結論:鳴るか確かめる・寝室と階段・10年で本体ごと交換
先に答えじゃ。親の家の火災警報器で確かめるのは、この3つだけでよい。
少なくとも年に2回、点検ボタンを押すか、ひもを引いて鳴るか確かめる
親が寝ている部屋と、寝室が2階なら階段の上に付いているか見る
付けてから10年がたっていたら、本体ごと取り替える
どれも、電話をしながらでも確かめられることじゃ。むずかしい道具はいらん。
なぜ高齢の親の家こそ警報器が大事なのか
理由は大きく3つある。
亡くなる人の4人に3人が65歳以上
消防庁の速報によると、令和7年に住宅火災で亡くなった人は970人。そのうち65歳以上は730人で、全体の75.3%じゃ。前の年の確定値でも、やはり75.6%が65歳以上じゃった。
火事そのものも増えておる。消防庁の資料によると、住宅火災の件数は令和3年から増えはじめ、令和7年は概数で1万件を超えた。亡くなる人の数も増える傾向が続いておる。
亡くなった経緯でいちばん多いのは逃げ遅れで、970人のうち403人。火に気づくのが遅れると、足腰の弱った人ほど逃げきれんのじゃ。
寝ている間がいちばん危ない
火事が多いのは昼か、夜か。消防庁のQ&Aによると、火災が起きる件数は起きている時間帯のほうが多い。ところが、亡くなる人の数は寝ている時間帯のほうが多いんじゃ。
寝ていると、煙のにおいにも気づきにくい。だからこそ、音で起こしてくれる警報器が頼りになる。消防庁の分析では、警報器が付いている家は、付いていない家にくらべて亡くなる人の数がおよそ半分だったそうじゃ。
付いていても、鳴らないことがある
令和8年6月の調べでは、警報器の設置率は85.5%(消防庁)。ところが、作動を確かめた家のうち4.3%で、電池切れや故障が見つかった。
しかも、付けてから10年を過ぎた警報器が約35.1%あった。付いているだけで安心はできんのじゃ。
警報器が命を助けた例
消防庁のQ&Aには、警報器が役に立った例がのっておる。
- 1階の台所から火が出た。2階で寝ていた人が、階段の警報器の音で気づき、119番に通報して逃げられた
- 寝ている間に、掛け布団が電気ストーブにふれてこげた。寝室の警報器が鳴り、気づいた人がすぐ水をかけて大事に至らなかった
- 料理の途中で寝てしまい、鍋から煙が出た。台所と寝室の警報器が鳴り、音とにおいに気づいたとなりの人が119番に通報した
3つめの例のように、警報器の音は近所の人にも届く。ひとり暮らしの親の家ほど、鳴ることそのものが大事なんじゃ。
「付いとるから大丈夫」と思うておる親は多い。じゃが、鳴らなければ、付いていないのと同じなんじゃよ。
点検は年に2回、ボタンかひもで
政府広報オンラインは、警報器を少なくとも年に2回点検するよう呼びかけておる。やり方はかんたんじゃ。
- 本体の点検ボタンを押す
- ひもが付いている機種は、ひもを引く
- 警報音や「火事です」などの音声が鳴れば、正常に動いておる
- 鳴らないときは、取扱説明書を見て電池や本体を確かめる
覚えやすい日に決めておく
年に2回といっても、忘れてしまうもんじゃ。消防庁は、春(3月1日〜7日)と秋(11月9日〜15日)の全国火災予防運動にあわせて、住宅防火を呼びかけておる。この2回を親の家の点検日にすると、覚えやすいぞ。
ほこりもときどき払う
ほこりも敵じゃ。警報器にほこりが入ると、まちがって鳴ることがあると、消防庁のQ&Aにある。掃除のしかたは機種によってちがうから、取扱説明書を見て行ってくれ。
親が手を届かせられないとき
天井の警報器は高いところにある。点検ボタンに手が届かんからといって、親がひとりで椅子や脚立に乗るのはやめてもらおう。帰省したときに家族が押す、近くに住む親戚に頼む、で十分じゃ。
付ける場所は「寝室」と「階段の上」
消防庁のQ&Aによると、法律で付けるよう決められておるのは、主に次の場所じゃ。
- 寝室(ふだん寝ている部屋)
- 寝室が2階などにある家は、階段の上
階段に付けるのは、煙が集まりやすいからじゃ。それに、2階で寝ている人にとって、階段はたいていただ一つの逃げ道になる。
台所にも必要な地域がある
市町村の条例によっては、台所などにも付けるよう決められておる地域がある。親の住む地域のことは、その地域の消防本部や消防署に聞くと確かじゃ。
消防庁の調べでは、条例で決められた場所にすべて付いている家は66.8%にとどまる。「寝室には付いとるが、階段にはない」という家もあるんじゃな。
寝る部屋が変わっていないか
年をとると、階段がつらくなって、1階の居間で寝るようになる親もおる。そんなときは、今寝ている部屋に警報器があるかを確かめてくれ。
10年たったら、電池ではなく本体ごと交換
消防庁は、警報器の寿命は10年とされ、付けてから10年を目安に交換するよう呼びかけておる。
警報器も、電子機器の一つじゃ。政府広報オンラインによると、長い年月がたつと、部品が古くなって正しく動かなくなることがある。だから、電池が切れたときに10年以上たっていたら、本体ごと取り替えるのがすすめられておる。
付けた年の調べ方
付けた年が分からんときは、本体に書いてある製造年や、付けた日を書いたシールがないか見てもらう。どこに書いてあるかは機種によってちがうから、親と一緒に探してみてくれ。
取り替えるなら、つながる警報器も
取り替えるなら、ひと工夫できる。政府広報オンラインは、取り替えるときに連動型の警報器にするのも効果的だとしておる。消防庁によると、連動型は、どこか1か所が煙を感じると、家じゅうの警報器が一緒に鳴るしくみじゃ。
寝室にいても、台所や1階の火事に気づきやすくなる。配線でつなぐものと、無線でつなぐものがあるそうじゃ。
耳が遠い親には、光で知らせる道具
消防庁は、高齢の人や耳・目の不自由な人には、音や光が出る補助警報装置を足すようすすめておる。親が補聴器を外して寝ておるなら、一度考えてみてくれ。
火を出さない4つの習慣
警報器は火事に気づかせてくれる道具じゃ。じゃが、いちばんよいのは火事を起こさないことじゃな。消防庁と政府広報オンラインは、4つの習慣を呼びかけておる。
寝たばこは絶対にしない、させない。令和7年の住宅火災の死者では、たばこが火元のいちばん多い原因じゃった
ストーブの周りに燃えやすい物を置かない。上で洗濯物を干すのもやめる
こんろを使うときは、火のそばを離れない。電話や来客のときは、いったん火を消す
コンセントのほこりを掃除し、使わないプラグは抜いておく
令和7年の住宅火災で亡くなった人を火元の原因別に見ると、たばこが129人、ストーブが112人。冬に向けて、ストーブのまわりはとくに見ておいてくれ。
政府広報オンラインは、ストーブやこんろは安全装置の付いた物を使うよう呼びかけておる。古い暖房器具を買いかえるときは、ここも見るとよい。冬の停電と暖房のことは、冬の停電で暖房が止まったら?にもまとめておる。
燃え広がらせない備え
もし火が出ても、小さいうちに消す、燃え広がらせない。そのための備えも、国が呼びかけておる。
防炎品を使う
防炎品を知っておるか。政府広報オンラインによると、防炎品は火がついても燃え広がりにくい品じゃ。パジャマやシーツ、カーテン、布団などがある。
令和7年の住宅火災では、服に火が燃え移る着衣着火で亡くなった人も42人おった。こんろやストーブを使う親には、防炎のエプロンやパジャマを贈り物にするのもよい。
住宅用消火器を置く
消火器にも、家庭向けの物がある。住宅用消火器は軽くて、高齢者や女性でも使いやすいように作られておると、政府広報オンラインは書いておる。使用期限はあるから、ときどき期限を確かめて取り替えるよう書いてある。
地震のあとの火事にも
今年の秋の全国火災予防運動では、住宅の防火とならんで、地震のときの火災対策も重点に挙がっておる。消防庁の資料は、南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定で火災による大きな被害が予想されるとして、感震ブレーカーなどを付けるよう呼びかけておる。
揺れたあと、電気がもどったときに起きる火事のことは、地震が起きた直後の30分でやること・やってはいけないことに書いておる。
逃げ道をふさがない
国の呼びかけには、お年寄りや体の不自由な人は、逃げ道と逃げ方をいつも確保しておくこともある。寝室から玄関までの廊下に、物を置きっぱなしにしない。夜中でも足もとが見えるよう、足もと灯があると安心じゃ。
警報器が鳴ったら、まず逃げることを考えてくれ。物を取りに戻ってはいかん。命より大事な物はないんじゃよ。
「消防署の方から来ました」に気をつける
警報器や消火器の訪問販売のトラブルは、高齢の人がねらわれやすい。消防庁に報告された例を紹介しよう。
- 79歳の人の家に2人組が来て、「法律で必要」と言って頭金2万円を受け取り、警報器を付けずに帰ってこなかった
- 80歳代のひとり暮らしの家に来て、警報器を2つ付け、20万円を請求した
- 「消防署の方から来た」と言って売り込み、身分証明書を見せてと頼むと、見せずに帰った
- 役所が作ったパンフレットに値段を書き足した物を持って来て、「付けないと違反だ」とおどすように売った
政府広報オンラインによると、消防署や市町村の職員が家に来て、警報器や消火器を売ることはない。特定の業者に販売を任せることもないそうじゃ。
罰則のことも知っておこう。警報器を付けていないことへの罰則はないと、消防庁のQ&Aにある。「今日付けないと罰金」などと言われても、その場で決めなくてよいんじゃ。もちろん、命を守るために付けておくことは大事じゃぞ。
だまされたと思ったら
訪問販売で買った警報器や消火器は、クーリング・オフの対象じゃ。政府広報オンラインによると、契約日を含めて8日以内なら、契約をやめられる場合がある。
困ったときは、消費者ホットライン188か、地域の消防署に相談してくれ。親には、「家に来た人からは買わない。まず家族に電話」と伝えておくと安心じゃ。
離れて暮らす親のためにできること
離れて暮らす親の家には、すぐに行けんこともある。電話で確かめられることを並べておこう。
- 寝室に警報器はあるか。今、どの部屋で寝ているか
- 寝室が2階なら、階段の上にもあるか
- ボタンを押す(ひもを引く)と鳴るか。電話口で鳴らしてもらう
- 何年に付けたか。本体に書いてある年を読んでもらう
- ストーブのまわりに燃えやすい物はないか
- 家に来た人から警報器や消火器を買っていないか
年末の帰省で取り替える
年末の帰省は、よい機会じゃ。付けて10年を過ぎていたら、そのとき取り替えるのがおすすめじゃ。高いところの作業は、家族がいるときにやるのがいちばん安全じゃからな。
消防庁は、町内会や老人会などで警報器をまとめて買う「共同購入」も紹介しておる。親の住む地域でやっていないか、聞いてみるのもよい。
間違えやすい3つ
作動を確かめた家の4.3%で電池切れや故障があった。鳴るかどうかを確かめてはじめて安心できる
付けてから10年以上たっていたら、本体ごと交換がすすめられておる
消防署や市町村の職員が、家に来て警報器を売ることはない
やらなくていいこと・やってはいけないこと
がんばりすぎなくてよい。やらなくていいことと、やってはいけないことを書いておく。
まずは寝室と階段の上。そこが鳴ることを確かめるのが先じゃ
連動型や光で知らせる道具は、取り替えのときに考えれば十分じゃ
点検や取り替えは、家族がいるときに。高いところの作業を親ひとりにさせない
もうひとつ、うるさいからと電池を抜いたままにしないこと。まちがって鳴るときは、ほこりや寿命のことがある。取扱説明書を見て、掃除か取り替えを考えてくれ。
火の用心は、毎日のくり返しじゃ。年に2回の「ピッ」が、親の命を守るんじゃよ。
今日できる3つのこと
最後に、今日すぐできることを3つだけ。どれも10分で終わるぞ。
寝室の警報器のボタンを押してもらい、電話口で音を聞く
本体に書いてある年を読んでもらう。10年を過ぎていたら、帰省の予定に「取り替え」を入れる
訪問販売には、まず家族に電話。親と約束しておく
よくある質問
Q. 火災警報器は何年で交換すればいい?
A. 消防庁は、寿命を10年として、付けてから10年を目安に交換するよう呼びかけておる。電池が切れたときに10年以上たっていたら、電池だけでなく本体ごと取り替えるのがすすめられておるぞ。
Q. 火災警報器の点検は、どのくらいの間隔でやる?
A. 政府広報オンラインは、少なくとも年に2回点検するよう呼びかけておる。点検ボタンを押すか、ひもを引いて、音や音声が鳴るか確かめる。春と秋の全国火災予防運動にあわせると覚えやすいぞ。
Q. 火災警報器は、どこに付ければいい?
A. 消防庁のQ&Aによると、寝室と、寝室が2階などにある家は階段の上じゃ。市町村の条例で台所などにも必要な地域があるから、親の住む地域の消防署に確かめてくれ。
Q. 「消防署の方から来た」という人から買ってしまったら?
A. 政府広報オンラインによると、消防署や市町村の職員が家に来て警報器を売ることはない。訪問販売で買った警報器はクーリング・オフの対象で、契約日を含めて8日以内ならやめられる場合がある。消費者ホットライン188か消防署に相談してくれ。
出典
- 消防庁「令和7年(1〜12月)における火災の状況(概数)」(令和8年5月28日)
- 消防庁「令和6年(1月〜12月)における火災の状況(確定値)」
- 消防庁「住宅用火災警報器の設置率等の調査結果(令和8年6月1日時点)」(消防の動き 令和8年10月号)
- 消防庁予防課「住宅用火災警報器の設置状況等調査結果について(通知)」(令和8年6月15日)
- 消防庁「住宅用火災警報器Q&A」
- 消防庁「住宅用火災警報器」(住宅防火対策)
- 政府広報オンライン「住宅火災から命を守る10のポイント」(取材協力:消防庁)
- 消防庁「令和8年秋季全国火災予防運動の実施について」
本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。令和7年の火災の数値は消防庁の概数(速報値)です。火災警報器の設置場所は市町村の火災予防条例によって異なりますので、お住まいの地域の消防本部・消防署にご確認ください。点検や交換の方法は、機種ごとの取扱説明書に従ってください。