はじめまして、防災部へようこそ
2026年3月20日
9月のある昼下がり。
そなえじぃは縁側に正座して、年に一度の「防災リュック点検日」を始めていた。
懐中電灯、缶詰、包帯、笛、ウェットティッシュ——ひとつひとつ取り出しながら、手書きのチェックリストに丸をつけていく。眼鏡をかけ直して、どこか誇らしげな顔をしている。
さあ、次はリュックの内側を確認しようと、ぐいっと覗き込んだ——その瞬間だった。
「……ん?」
リュックの底に、なにかモフモフしたものが入っていた。
白とクリーム色の毛並み。ぺたんとした丸い顔。首もとに、小さなピンクのリボン。
ひなたちゃんが、香箱座りでぴったり収まって、すやすやと眠っていた。
「……ひなたちゃんや、出ておくれ」
そなえじぃがそっと声をかけると、ひなたちゃんはうっすら目を開けた。その目は、「ここ、あったかくていい」と静かに言っていた。
動く気配は、まったくなかった。
夕焼けが縁側を橙色に染めるころ、防災リュックの点検はまだ終わっていなかった。そなえじぃはひなたちゃんを膝に乗せ、床に散らばったグッズを眺めながら、ふっと笑った。
「まあ、一緒に備えよか」
こうして——ひなたぼっこ防災部が、はじまった。
そなえじぃが愛用しているような、軽くて持ち出しやすい防災リュック。
中身がすっきり整理できるタイプが、点検のときもラクでおすすめです。